2013年1月8日火曜日

思いだせない


「思いだす」公演本番当日に皆様にお配りしたパンフレットから。。。。。


日曜日と相性が悪いのは、子供の頃から。
実家から離れ、東京の病院に長期入院していた子供の頃
小児病棟にあった公衆電話は、肌色の、10円玉しか使えない電話器で、
病院の近くに住む叔母が、面会に来てくれるたびに、集めた10円玉をたくさん持ってきてくれていた。
母への長距離電話 銅色の10円玉が数秒に一枚の早さで落ちていく

小学一年生の私は なぜかその日曜日は淋しくて淋しくて
まだ、話したいことがたくさんあったのに 10円玉がとうとうなくなって
母との電話が無情にも途中で切れてしまった
小児病棟のガランとした廊下で わんわん泣きじゃくって
いや、もしかしたら 泣くのを必死で我慢していたのか、思いだせない。

子供の頃の居心地のいい場所は 病院の白いベッド 消毒薬のアルコールの匂い
医療器具のカチャカチャという音 点滴の滴が窓から射し込む太陽の光に照らされて輝く様子。。。

岸田理生作「思いだす」は、1991年2月 高田馬場プロトシアターにて
森下眞理さんの一人芝居用に書き下ろされた作品です。
聞くところに寄れば、眞理さんと理生さんが共同で作り上げた作品らしく
眞理さんの自伝的な作品なのかどうなのか。。。その辺りは不明です。

私が岸田事務所+楽天団にいた頃、若手の女優5~6人を集め、
理生さんがこのテキストを使ってワークショップを開催してくれました。
ワークショップに参加してすぐ、私はなぜか辛くて先に読み進めることができず、
理生さんにそのことを相談し、途中で参加を中断しました。
このテキストのどの部分がそんなにも辛かったのか、私は今でも思いだせない。

一人芝居用のこのテキストを、今回は絵夢さん、詩織ちゃんと3人で一緒に演じます。
3人は一人か? 別の人間なのか? 一人の女の過去の思い出なのか? 

自然の持つ力に敬意を払うこと。音を聴き 匂いを嗅ぎ 触感を充分に味わうこと。
「たとえ 私が一人ぽっちになっても 愛がなくなったりはしない」

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