2011年8月25日木曜日

禿げたかとプロメテウス

メディアマシーンの「禿げたかがいる
禿げたかは日刊紙と唾でできた人間たちの列の中にしゃがみこんでいる」と
「熱風が吹くわ 風が吹く(中略) コンドルの背に 乗って」のイメージは

元はプロメテウスの神話 です

メディアが牛を殺す際の凶器も「プロメテウスの草」ですが
プロメテウスが人間に火をもたらしたことで 神の怒りをかい
山の上の大きな岩に鎖でくくりつけられ
毎朝禿げたかに内臓を啄まれ
翌朝にはまた元に戻るという
永劫の苦しみ

自分の内臓を食べた禿げたかの糞を食べることで生きながらえ
長年のうちに 白い禿げたかの糞と 岩と一体化してしまっていたという

エンディングにも石の上で死んだ仲間たちというモチーフが出てくるし
冒頭の「糞尿の山」というのも それに近い

なぜメディアの物語にプロメテウスの神話が出てくるのかというと
実はこのプロメテウスが内臓を啄まれていた山が
メディアの生まれ故郷である
コルキスにあったらしいのです


熱風が吹いて ポロポロになった糞が飛んでいくのは
この禿げたかの糞のことなのですが

理生さんがテキストを改編した際
これが禿げたかの糞でなく
犬の糞に変わります

「犬」という生き物は とても禍々しく かつ 寄り添い 離れられない 不思議な存在として 理生さんの多くの作品に登場します

書き手によって
少しずつ 色調が変わっていった物語は
私が声に出し
体に出した時
それは何色に変わるか?

「メディアマシーン」を発語した時
私の体に不完全な形で物書きたちの愛が根差していて
観客の目や耳がそれを掻き乱してゆく
そんな時間が共有できたら
どんなに素敵だろう

MM3rd
いよいよ明後日の夜です

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