2009年10月17日土曜日

HM/電車

心日庵の帰り道
地下鉄の中
私は酔った真っ赤な顔で
ハイナー・ミュラーのテキストを読んでいた

ハイナー・ミュラーをライフワークと決めたばかりで
手始めにテキストの再編成

隣のお兄さんが微かにこちらを見る
ただの酔っぱらいだろうと
気にしない
隣の彼の存在を忘れる程
テキストに没頭し始めた頃
彼が「すみません」
と急に声をかけてきた

私は何か注意されるのかと身構え

「ハイナー・ミュラーやるんですか?」と聞かれ

余りの意外さに驚いた

「どうしてこの人はハイナー・ミュラーを知っている?」

彼は現代美術のキュレターで
以前一緒に仕事をしたジャーマンジャパニーズの映像作家(ヴィデオアーティスト)がハイナー・ミュラーの話をよくしていたので と

私は夢中になって
自分はハイナー・ミュラーに傾倒していた岸田理生さんの劇団にいたこと
ベルリンに行った時の
西ベルリンと東ベルリンの激しいギャップに衝撃を受けたこと

東ベルリンのタヘレスで
片目のダンサー伊藤キムに出逢ったこと

いろいろやってきて 今
ハイナー・ミュラーを一人でやりたいと思っていること

大急ぎで話す

それから
ベルリンのこと
ビデオアートのこと
いろいろ話し
(驚くことに
彼はタヘレスも伊藤キムも知っていた)

それから
名前を聞き合って別れた

きっと
電車の中では
いつも何か
「出来事」が
起こっている

好きなことに真摯に向かっていると
世界はどんどん広がって行く

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