2009年1月24日土曜日

考えるな 動け

先日の「アングラ女優」に引き続き
軽い自虐ネタかもしれませんが

21歳で「岸田事務所+楽天団」の入団試験を受け
それから半年と経たないうちに劇団本公演に抜擢されてすぐに
年下だったけど先輩の女の子にこう吐き捨てられたことがあります

「このテンション役者がっ!!」

それから今まで、ブランクはあるものの
結構長いことお芝居を続けてきているけれど
私は相変わらずこの時と変わらない「テンション役者」で
人様に自慢できるような技術の一つさえ持たずに
その場の雰囲気とテンションだけでお芝居を続けてきちゃった

きちゃった

いやむしろ技術や理論に偏重することをよしとせず
技術を習得することを避けてさえいたかもしれない

けれど 歳を経るごとに
避けてきた「技術」を求められることが多くなり
それらの技術を習得していて当然と思われるようになり
たとえ感覚から偶然出てきた演技でも
「技術」と「経験」の成せるわざだと思われるようになり

これまでテンションとセンスだけの不安定な演技ばかりしていた私は
本番はともかく稽古中に手を抜いているとでも思われるのか
共演者にキレられることが多く
泣かされたり、大喧嘩したりと
精神的に無駄なエネルギーを多く浪費していた

これでは身が持たんと一念発起して
昨年やっと心日庵の門を思いきって叩き
理論と技術をゆっくりと磨き始めたわけですが
何せ元々がおおざっぱなテンション役者なので
「理論」とか
左脳で考えるのとかが最も苦手で
それを始めると
途端に身動き取れなくなってしまうという有様
芝居以外のことはほとんど左脳上位で活動してるのに
これが不思議

けれど昨日のテレビで中村勘三郎一家のドキュメンタリーを見ているときに
やっぱり技術って大事よねと再認識した次第

頭だけで納得が行くまで考えていても先へ進まないことが多くて
心日庵で教えられたみたいに
とりあえず高い声や低い声でやってみたり
スピードを変えたり
アニマルアプローチしてみたり

そんなある意味機械的な作業が
今回のような情念的でない役には合っている
と思っているんだけれど
これがなかなかうまく行ってない

当初想定していたよりもずっと演技の稽古をする時間が少なく
それなのに要求される速さは
多分自分が思っているのの2倍以上早く呈示していかなければ間に合わないのだろう
言い訳をしている余裕なんてない

いつもなら台詞を何度も読んでいるうちに
自然とどうやればいいのか(というよりこうやってみたいと)浮かんできて
それはいくつもいくつもパターンが浮かんできて
やりきれなくて楽しくなってくる
こうなるとシメたもので
台詞を忘れることも
身体が動かないということも
ほとんどなく
本当にただそこに生きているように演れるのだ

そこに理論はない

さて、ならばどうしよう

2009年1月22日木曜日

comical

コミカル[comical](形動)滑稽なさま。おどけた感じを与えるさま。「―なタッチの映画」(EXCEED)

「しばらく自由にやっていいよ」と言われた幸せな蜜月の一時は
ほんの一瞬(本当に一瞬でした。2日ぐらい)にして過ぎ去り
今はまた恒例の「混乱の時代」┐( -"-)┌ヤレヤレ...
この期間はどう足掻いても避けようがないらしいので
諦めてジタバタと悩み続けるしかないのです

先日の稽古でつけられたミザンスと「コミカルに」という演出イメージがどうにも私の腑に落ちないのです。
左脳でいくら
「制限されているわけではない」「否定されているわけじゃない」と納得しようとしても
『演技において 心と云うのは 一番厄介な 問題が多い(by上田ボッコさん)』
とはおっしゃる通りで
心の中は悲嘆と絶望でいっぱい
混乱の極みです

そもそも、私はコミカルなことがしたくて今回のオーディションを受けたわけじゃない

前回の舞台で安部公房の「シニカルな笑い」のはずがドタバタ劇でお客さんに受けていたことに酷くショックを受け
お気に入りの心日庵でも笑いを求められることが多々あって
その状況がどうにも我慢ならなくて
岸田事務所+楽天団やルームルーデンスに似たタッチの舞台を探していたのです
シリアスで情念に溢れた舞台を
だってそれ(シリアス)が好きなんだもの
いくら心日庵でコーチに「こっちの方が面白い」と言われても
私はコミカルなことは全然ちっともやりたくないんだもの

今回の配役決定した時に「夜長姫」のアナマロや「眠る男」の道化みたいな
もっとわかりやすく言えば「夏の夜の夢」のパックや「リア王」の道化みたいな
ストーリテラー的、狂言回し的役柄を最初にイメージしたのですが
それと「コミカル」はもちろんリンクするのですが

そもそもそういう役を私はちっとも全然やりたくないのです
わがままですか?
ええ、わがままです
でも、お金もらっているわけじゃないし
たとえお金もらう仕事だとしても
私は「コミカル(滑稽な、おどけた)」ことはやりたくないのです
人に笑われるのはどうにも我慢がならないのです

山崎努さんの「俳優のノート」でも笑いを取ることに関してちょっと触れられていました
面倒なので引用はしませんが
そこに書かれていることはまったく同感でした

「ネクラ」「ネアカ」という言葉が流行ったのは
もう随分昔のことですが、ネアカで面白いことがもてはやされ
ネクラで地味なことが嫌われることの多い昨今
「面白いことなんてやりたくない」とか言うと嫌われそうで言えなかったけれど
私は断固暗くてジメジメしたことがやりたいの
明るくて楽しいことはそれが得意な人たちに任せたいの

あ~スッキリした。
今回の役は結果的にはコミカルにはなるんだろうけどね
そこを最初から目指すのが なんだかどうしても抵抗があるのね
頭と心のすり合わせをするのに、これはかなり時間かかりそう

幸い今回の演出家は暴君ではありますが(笑)
相談する余地や話を聞いてくれる懐の深さがありそうなので助かります
ただ、モノヅクリのペースがめっちゃ早いみたいなので
私のこの混乱ぶりを気長に待ってもらえるかどうか。。。。
きっと無理なんだろうな

でも、できないものはできないし
本番になれば大抵何とかなるし
そういう意味ではあんまり焦ってはいないんだけど
それまでの周りのイライラぶりに耐えられる自信が相変わらずない

見守ってほしいよ

2009年1月11日日曜日

楽しくて仕方ない

昨年12月の始めにやっと配役が決まり
それ以降少しずつではあるが
配役別の稽古にシフトし始めている
目標設定しにくい今までの筋トレ稽古より
役に向かっての稽古は「辛い」とは感じないことに気づく
板に上げた時にそれがとても素敵に見えるならば
湖の上を軽やかに歩き飛び跳ねてみたいものだと心から思う

今回の稽古は何と言うかとても特殊で
一見すると自由度が低く
メンタル部分でのプレッシャーが大きい為
ともするとプレッシャーに負けて大切なことを
忘れてしまいがちなのだが

実は自分自身の目標を明確にして
稽古の目的も明確にして
本質を見極めるようしっかりと目を開けていれば
とても濃密で自由度の高い稽古であることがわかる

ここだけのことではない
どこにいても
自身の目標と目的を明確にすることは大事だ

人間だから
どうしても周囲の環境に流されたり
惑わされてしまう
それが必要な時もあるけれど
周囲の価値観に流されて
有名になることが、TVや映画に出ることが
最終目標なのかと勘違いしてしまうこともある

けれど実は私が21の歳に芝居を始めた時
明確に目的はただこの一点だった
「理生さんの言葉を発語したい」
誰に見られなくてもいい
誰に賞賛されなくてもいい
ただ、舞台の上で理生さんの言葉を自分の声で発したかった
それは詩を書き始めたのとほとんど同じ必要からだった

そこにどんな意味があるのか
そこに何の価値があるのか
今の私には何にもわからないけれど
今でもただそうしたかった

だから今でも
脚本に立ち返ることがすべてなのだ

脚本を愛し
物語に耽溺し
そこに書かれている出来事を
ただ自分の身体を通して表出させたい
それだけがシンプルに私の最も望んでいることなだけなのだ

誰にも脅かされたりしない

2009年1月5日月曜日

プロセスを楽しむ

再び山崎努さんの「俳優のノート」を読む
前回とはまた少し違った視点で
現状が辛ければ辛いだけひしひしと
山崎さんの言葉が胸に届く
これを読むとモチベーションが上がるのでいい

年末年始にゆっくりと考える時間があった分
いろいろなことに思いを巡らせ
自分にとって何が一番大切なのかを
改めて考え直すことができた

辛ければ辛いだけ学ぶことは大きく
辛ければ辛いだけ成長する度合いも大きい
それでも私は
今よりももう少しだけ楽に生きたい
11月に比べたら全然楽

予防線を張り 今月から
最低限の予定に絞込み
春の公演のお稽古以外の予定を極力排除した

とにかく公演が終わることだけを楽しみにしているなんて
一体何の為にお芝居をしているのかわからなくなる
前回の公演もそう また違った意味で
焦ると碌なことがないと肝に銘じよう
焦るまい 焦るまいと 常に言い聞かせていても
何も予定が入っていない状態が怖くなる

私はどこまで行きたいのか
これ以上辛い思いをしてまで
本当にどこかに行きたいのか?

経験から知っていることは
何事かを成す人や
望みを叶える人は
そこに到達するまでの努力を
「辛い」などと思わないものだ

そのプロセスさえも楽しめる道が
自分が進む道なのだと思う

今いる場所も決して無駄にはならない
だけどきっといるべき場所ではない
焦らなくてもきっと居心地のいい場所は
見つかるから
ゆっくり探し続ければいい